「夫と2人、マジヤバい…」定年後の夫婦の気まずさを溶かした“特別な2時間”
近所のママ友とウォーキングすると、それぞれみんな違う形で子どもたちが独立しており、
「いや、夫と2人とか、マジヤバい」
「毎日どうするの?」
「極力すれ違うようにしようかと…」
「2人で旅行とか食事とか行くの?」
「いや、食事行くとケンカになるし、正直もう何を話せばいいのか分からんのよ」
病気や介護、墓問題同様、安定の会話に。
とは言え、我が家の場合、結婚までの一人暮らしが長かったことが関係しているのか、夫は家にいれば料理や洗濯、掃除に水回りまで家事を満遍なくこなしてくれるので、それはとてもとてもこの上なくありがたいことだと思っている。私は終業時間まで、何を気にすることもなく集中して仕事に取り組むことができるのだ。
それでは何が不満なのかというと……「テレビのチャンネル権争い」という、なんとも子どもじみたことだった。
【記事】更年期で夫を嫌いになる理由 カウンセラーが教える「正しい夫婦の距離感」
夫はとにかくスポーツが好きだ。大谷の試合は欠かさず見るし、大好きなゴルフやサッカー、バレーに卓球と、定年して家にいるようになった今、テレビで見るスポーツの数はどんどん増えていった。
世代かもしれないが、中には「チャンネル権? そんなのないよ~。ゴールデンタイムは夫が独占してるから、寝た後に思いきり好きな韓国ドラマを見るの」という友人も。
私の寝室にも小さなテレビはあるし、今はありがたいことにTVerで好きな番組を見ることができる。だがやはり、昭和世代、大のテレビ好き人間としては、リビングのソファで寝転びながら大画面で、誰にも気を使わず思い切り、好きなドラマやバラエティー、推しが出る歌番組が見たいのだ。
そしてその時間こそが、リモートで始終パソコンに張り付いている私にとって、“最大の癒やし”であった。
今までは週3回夫が出勤していたため、帰宅までの数時間はその時間を楽しむことができたが、来週からはいよいよ毎日家にいる――。
私は「経年劣化した寝室の畳を貼り替えて、大きいテレビを買う瞬間がやって来た!」と決意を固めたが、その矢先、お昼を食べようとリビングに下りると、テレビで“あるハリウッド映画”が流れていた。「メン・イン・ブラック」だ。
1997年の作品で、主演はトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミス。黒スーツにサングラスのビジュアルで、ニューラライザー(記憶消去装置)をカメラに向け「はい、今の忘れて~」とやる一連の流れを、日本のバラエティー番組がパロディーにしていたことをよく覚えている。
50代で渋さ満点のトミー・リー・ジョーンズとタフでアグレッシブなウィル・スミスに瞬時に目を奪われ、2人の軽妙なやり取りに引き込まれる。約30年前の作品なのに古さを感じさせず、「これって今のテレビで大丈夫!?」と心配になるような描写も多々。ツッこみを入れながら、夫婦で一気に盛り上がる。

1997年…「メン・イン・ブラック」公開当時は夫と結婚する1年前。2人とも映画が好きだったため、デートといえば映画館で、その後は作品の感想を言いながら食事するのが常だった。
夫と私は真逆と言っていいほど性格が違うが、それなりに共通の趣味みたいなものがある。グルメと競馬とドラマや映画を見た後の考察――。
特にドラマに関してはどちらから言うまでもなく、1クールに1本は同じドラマにはまる傾向にあり、毎週2人で見ては、Xを見ながらあーでもないこーでもないと互いの考察を展開する。
だが、いつものドラマの考察と、今、画面で流れている「午後ロー」では、大きく違うことがある。それは、作品を見ながら一気に“あの頃”へタイムスリップしてしまうことだった。
「これ、たしか映画館に見に行ったよね?」
「そうだね」
「ウィル・スミス、あの頃、日本のバラエティーにめっちゃ出てたよね」
「そういえば、トミー・リー・ジョーンズが出ていた『逃亡者』も良かったな。内容は全く思い出せないけど……」
「私も(笑)。見た時はあんなに面白いと思ったのに、映画って内容をほとんど覚えてないから不思議だよね」
なんだかんだで平日午後帯の数時間に会話が生まれる。さらに言うと、どこの映画館で見たか、何を話したかはもちろん覚えていないものの、デートのために待ち合わせをした交番前の情景、若かりし頃の夫がフラッシュバックするのだ。
(あーあの頃は若かったなぁ。夫も優しかったなぁ。あの頃の私は、もっと素直に夫の言うことを聞いていたなぁ)
気づけば我が身を振り返って反省する始末――。リモートで仕事をしていることもあり、毎日このような時間を生み出せるかといえばそれは無理な話だが、夫婦でまったりしているご家庭にとっていい時間になるのでは? そう思わされた1日だった。
ちなみに、今回見た「メン・イン・ブラック」のラストは、トミー・リー・ジョーンズ演じるKが意外な行動に出てラストを迎える。次週「メン・イン・ブラック2」が「午後ロー」で放送されることを知った私は「来週も見る?」そう夫に投げかけ、仕事部屋に戻った。
夫婦カウンセラーの北村貴子さんは、こうした「懐かしの映画を夫婦で楽しむ効果」について次のように語る。
「まず、日常とは異なるコンテンツを夫婦で共有することで、自然と新しい会話が生まれます。ポイントは、映画を通して“相手の価値観”を知れること。直接的な話題では角が立ちやすい考え方の違いも、作中のストーリーや登場人物への感想なら摩擦なく共有できます。
夫婦やカップルで見るなら、サスペンスやアクション、ホラー系がおすすめ。お化け屋敷などのアトラクションでも見られる傾向ですが、過度な価値観のぶつかり合いが起きにくく、『怖いね』『今のスゴいね』という一体感が高まるからです。
夫婦の距離を縮める方法の一つとして、『午後のロードショー』を一緒に見る時間があってもいいかもしれません」。
時にはリビングのソファに夫婦で座り、かつての思い出に浸ってみるのも悪くない――と思った方は必見! 8月31日(月)、9月の「午後のロードショー」(毎週月~金 午後1時40分)のラインナップはこちら!
【8月31日(月)「メン・イン・ブラック3」】
ウィル・スミス×トミー・リー・ジョーンズ競演の人気SFコメディ!相棒を救うためタイムスリップした過去の世界で、凶暴なエイリアンとの戦いを繰り広げる!
【9月1日(火)「フライト・ゲーム」】
高度1万メートルを飛ぶロンドン行きの旅客機に突然届いた脅迫メール。時刻通りに次々と原因不明の死を遂げる乗客…。“姿なき犯人”の恐るべき真の目的とは…。
【9月2日(水)「ミニミニ大作戦」】
スゴ技を持つプロたちが集結!最高のチームで挑む金塊奪還作戦!マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ステイサムら豪華競演のアクション大作
【9月3日(木)「スコーピオン・キング」】
大ヒットシリーズ『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』に登場した最強の戦士スコーピオン・キングが主人公!古代エジプトの邪悪な支配者との戦いに挑む!
【9月4日(金)「ボーン・アイデンティティー】
記憶喪失の工作員が自分の存在を取り戻すため戦う!ヨーロッパを縦断して繰り広げられる壮大な追跡劇!新感覚スパイ・アクション大ヒットシリーズの第1弾!
(文/チャタレイ中村)